令和2年度を迎え、本来ですと新生活が始まり希望に満ちた心躍る時候となるところですが、ご承知のとおり新型コロナウイルス感染症が日本国内のみならず全世界において猛威を振るっている現状です。
 知夫村(島根県)においては、4月7日現在一人の感染者も出ておらず安堵しているところではありますが、日本国内において感染症拡大が進行している現下を見ますと、何時発生してもおかしくない状況下にあると考えます。
 報道等では、新型コロナウイルス感染が発生していない地域への旅行を計画される方々が増加傾向にあると言われており、例年のような平時であればこういった現象は大変喜ばしく歓迎申し上げるところですが、国難ともいえるこの時期を考えると複雑な心境でございます。
 本村は、島根半島の沖合いに浮かぶ隠岐諸島の最南端(知夫里島)に位置する一島一村の小さな自治体で、村内には感染者を収容できる施設(病院)もないため感染者が出た場合には、ヘリコプターで本土に搬送しなければなりません。
 村を守る立場に在る者として、先ず、第一に考えなければならないのは村民の生命・安全を守ることだと考えています。現時点では、観光目的でご来島を予定されている皆様方を制限させて頂くものではございませんが、発熱や咳がある場合・体調のすぐれない場合につきましては、ご来島を自粛して頂ければ幸いです。また、ご来島される皆様方におかれましては、ご自身の地元での行動と同様にマスク着用や手洗い・うがい等の励行を改めてお願い致します。
 結びに、新型コロナウイルス感染症が終息を迎え、観光客の皆様方をはじめ多くの皆様方が心晴れやかに御来島いただける日が一日でも早く来ることを願っています。 誠に勝手ではございますが、よろしくお願い申し上げます。

 

 

                            令和2年4月7日

                            島根県隠岐郡知夫村長 平木 伴佳